新卒からSIer営業を4年間続け、この度データサイエンティストとして転職しました。
なぜ転職という道を選んだのか、実際転職活動してみてどうだったか感想をまとめます。
この記事が助けになれば幸いです。
この記事の読者
- 転職か異動か悩んでいる方
- 未経験からデータサイエンティストへ転職したい方
自己紹介
まずは私の自己紹介からさせていただきます。
- 情報学部出身(高専+専攻科)
- 現職:大手SIer 法人営業(新卒入社)
- 20代後半
データサイエンティストを目指した経緯
最初にデータサイエンティストという職種を知ったのは大学1年生でした。
研究で機械学習を取り扱っている中で、データ分析のスペシャリストとしてお客様のビジネスにデータを軸にアプローチする職種と知りました。
研究でビックデータを扱ううちに、私はこの多大なデータを分析することでお客様の重要な意思決定に関わりたいと思い、いわゆるビジネル寄りのデータサイエンティストを目指しはじめました。
(当時はビジネス寄りだとかエンジニア寄りだとか特に境目がなかったので、漠然とデータでお客様にインパクトを与えたいと考えておりました。)
なぜ今回異動ではなく転職を選んだのか
大手SIerに在籍しており、社内でもデータ分析を行っている部署はありました。4年間は異動を第一の視野に行動しておりました。また実際に転職活動として行動に移し始めた最初の時期(2022年2月後半頃)も社内異動優先で転職活動を進めておりましたが、結果的には転職という道を選びました。
転職を決意した理由は以下があります。
- 社内にデータサイエンティストを育成する環境が整っていない
- 社内組織の都合に巻き込まれる可能性があった、かつ、5年後に目指すキャリアビジョンを考えたときに現職のスピード感では遅いと感じた
1つめについては、社内にデータサイエンティストを育成しようという流れはありましたが、専門部署としてではなく、あくまで今の業務+αでデータサイエンスがわかる人を増やそうといった流れであり、データサイエンティストとしてキャリアを歩みたい私とはアンマッチでした。
2つめについては、入社当初からデータサイエンティストになりたい想いは伝えており、ようやく2022年1月より異動が実現しました。しかし、直前で社内組織の都合に巻き込まれてしまい、営業内異動に留まりました。それでも訴え続け、プレ提案活動として、データ分析やデータサイエンスの活用に携わらせてもらいましたが、営業職がデータサイエンティストとして活動するには限界があったこと(=本来タスクではない、予算達成のための営業活動の傍らでの従事)、社内のスピード感、今後も組織都合に左右される可能性があったことから、このタイミングでデータサイエンティストとしてタスクを与えられ従事できる職への転職という道を決意しました。
転職か社内異動かで悩んでいる方へ
悩んでいる方にまずやっていただきたいのが以下3つです。
- 自分のキャリアプランを設定
- 異動と異動後のキャリアの実現性を判断
- キャリアに役立つことは積極的に取り組む(資格取得、業務での実績)
1.自分のキャリアプランを設定
転職か異動か選択する上で、私はこちらのステップが一番重要だと考えております。
身のキャリアプラン(何年後までに◯◯がしたい)を決めることで、期限から逆算し、いつまでに異動が実現しなければ転職するというタイムリミットを設定できます。
私の場合は、2022年に結婚をし、今後は出産や育児を考慮する必要があったことから、2022年以内にデータサイエンティストとして基本的なスキルを身につけ、2023年中にリーダレベル、2025年中PMとしてキャリアを築きたいと考えておりました。
この計画で進めると、今の会社では実現できないと判断し、転職に舵を切りました。
2.異動と異動後のキャリアの実現性を判断
1でプランを決めたらあとは行動に移します。異動すればやりたいことが実現するのか、異動は現実的なのか、社内のツテでもなんでも使って異動先部署の業務を調べ上げ、設定した期限までに資格取得やスキル習得など、できることはなんでもします。
私の場合は、まず直属の上司を味方につけることから始めました。本来業務での成果を出しつつ(これをしないと話すら聞いてもらえない)、データ分析の今後の需要をプレゼンしたり資格取得にて定量的にも本気度をアピール。そのおかげで社内の様々な部署からデータサイエンス事業の話を聞く機会を得ました。
異動候補部署から話を聞いた上で、本当に異動できるのか、いつ異動できるのか見極めました。組織上の問題はどこの会社にも存在し、どうしようもない問題の一つでもあるので、異動が思ったような異動ではなかったり、設定した期限を過ぎるようならきっぱり諦めるのも1つです。私の場合はこちらに当てはまったので転職を覚悟できました。いくら待っても異動できる保証はないですし、誰も責任を取ってくれません。それなら早く転職してデータサイエンティストとして実績を作ったほうが良いと考えます。
3.キャリアに役立つことは積極的に取り組む(資格取得、業務での実績)
データサイエンティストになるために、現職でできることはなんでもしました。
営業職でエンジニア経験がない状態だったので、少しでも異動を有利かつ現部署に本気度を伝えるために、独学による技術習得だけでなく、対外的な証明となる資格取得を目標と掲げておりました。特にSE同期の多くが受験していた、しかし取得者が少なかった応用情報技術者試験はかなりのアピールになったかと思います。他にはAI技術への一定の知識証明のためのG検定、プログラミング・データ分析ができるというアピールのためにPythonデータ分析認定試験合格をいたしました。
今から資格取得される方は統計検定>DS検定>G検定の順でおすすめします。
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資格取得以外では業務で実績を作ることを意識しておりました。営業職ですので、データ分析をビジネスとして実現することはできませんでしたが、営業のプレ活動の一環として上司に交渉してPOSデータの分析や社内DSによる教育を受けさせてもらいました。
転職活動について
データサイエンス業界に特化したエージェント経由で、データ分析・AI事業を行っている会社を中心に5社受けました。
書類審査通過率は100%、4社最終面談まで進み、結果内定は2社からいただきました。
5社はいずれもSPI的なテストがありました。内2社は更に機械学習・データ分析に関するスキルチェックテストがあり、他2社は面談の中でスキルチェックがありました。
書類審査についてはデータサイエンスに関わるべく如何に努力してきたかを意識して記載してました。
毎年異なるエージェントでフィードバックをもらい更新し続けていたため、今回使用したエージェントの方からもお墨付きを頂いており問題なく通ることができました。
フィードバックとしてはキャリアビジョンが明確にあることを特に評価いただきました。1社から言われたのですが、最近はデータサイエンティストにとりあえずなりたいという人が多く、キャリアビジョンに軸がないことが多々あるとおっしゃってました。こちらについてはデータサイエンティストを目指してからかなり意識して来たので、しっかり対策できていたと思います。
残念ながら見送りとなってしまった会社からはスキル不足との評価でした。
最適化や再尤度などについて聞かれましたが、正直今まで機械学習というよりデータ分析を軸にした学習をしていたので、こちらについては深く論じることができず、このような結果となってしまいました。
Kaggleをやっていればよかったなと感じました。
また、どの面接でも聞かれたのが、データサイエンスを用いた実績・学生時代の経験でした。
逆に資格や独学のことはあまり聞かれませんでした。(資格は履歴書を見ればわかるから?)
私は営業職で、実務(ビジネス)としてデータサイエンスに携われる機会がなかったのですが、それでも上司にアピールし前例のない営業✕データサイエンスを実現してきた経験をネタにしました。
私の場合は実務経験がないながらも、特に上記の営業✕データサイエンスとして努力してきた点をアピールすることで未経験でも2社から内定をいただくことができました。
これからデータサイエンティストになりたい方へ、以下をアドバイスします。
- 業務にデータサイエンスを活用した実績は必ずあった方がいい、 最低でも努力してきたエピソードは必要
- Kaggleはやっておいた方がいい
まとめ
この度私は、SIerにて営業職4年というキャリアを経て、社会人5年目にしてデータサイエンティスト職へ転職することができました。正直もう少し早ければよかったのかなという気持ちも少しありますが、社内に見切りをつけていない状態だと後悔していたと思うので、個人的にはベストなタイミングでの転職だと思っております。
4年間、本当にデータサイエンティストという職が私にあっているのか、転職すべきなのか、自分を見つめる期間もたくさんありました。迷いながらも様々な転職エージェントに話をきいたり、データサイエンスに関する情報収集を続けていたのも良かったですし、4年間努力し続けれたのは本当にやりたい仕事だから、と思いました。
まずは自分がどういうデータサイエンティストになりたいのか、10年後どういう働き方をしているのか想像してみてください。
私もようやくスタートラインに立つことができました。これからさらなる学習と努力が必要です。
一緒に頑張りましょう!
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